2.予備校の利点
・授業の重要性
上に、書いていることについて、少し詳しく説明します。
まず、予備校の一番の利点は、
水準の高い授業を受けることによって、深い理解が得られるということです。
しかし、これは、
以下に述べることを正しく実行することが前提となってきます。
それができれば、一人で参考書によって勉強するより効率的に良いと思います。
例えば、ある数学の問題を解き始めて、20分考えても解けなかったとします。
予備校などの授業では、1問につき約30分かけて解説され、集中していれば、理解できることがほとんどです。
それに対して、参考書の解説・解答をみた場合、字面を追いかけるので、理解するまで時間がかかることもある一方、ものの数分で理解できることもあります。
こう考えると、時間的に考えればどっちもどっちのように思えるかもしれませんが、重要なことは、
次にその問題にあたったときに、完全な理解をもって解けるか、ということです。
参考書だけでは、解答の理解はできても、「なぜその解法に至ったのか」「どのように考えるといいか」といったことを細かく書いていないことが多いので、そこを自分なりに考えない限り、次回にその問題や類似問題にあたったときに解けない可能性があります。
一方、講義においては、要点として講師がしゃべることが多いので、
解答までのプロセスの理解が得られやすくなります。
また、復習をするときに、講師のしゃべりや身振り手振り、雑談を含めて授業内容を、声による聴覚的記憶と、視覚的記憶をあわせて、そのときの状況と一緒に思い出すことができるので、
素早く記憶を呼び起こすこともできるし、記憶の定着も強いといえると思います。
このようなところが予備校などの授業を受ける利点といえると思います。
・講義で受身にならないために
上で、予備校の短所として挙げましたが、受身になってしまっては、せっかくの授業も無駄になってしまうおそれがあります。
受身になってしまう要因としては、
1)予習・復習に時間が追われるがために、適当に済ませてしまう、もしくはやる時間がない。
2)予備校では時間割が決まっており、やりたい科目を集中して勉強できない。
3)テキストに従ってまんべんなく授業が行われるので、ある科目での不得意分野・未習分野では授業についていけない。
といったことが挙げられます。
このようなことから結局授業をボーっと受けてしまい受身になってしまいます。
こうなると、なかなか自分が思うほど伸びません。
しかし、このような受身になってしまう状況は自分で変えられます。
順番に考えていきます。
まず、
1)については、予習と復習の時間が多すぎて消化できないばあいは、
思い切って受けている授業の数を減らすことをすすめます。
特に、復習を全くしないぐらいであれば、授業を受けない方がいいということです。
予習もしないうえに復習を全くしないと、授業内容の10%も身につけることができないため、授業の90分はほとんど無駄になってしまいます。
ですから、
自分が授業を受けた分だけ復習できるだけの時間を必ず作ることです。
次に
2)についてです。
予備校のクラスに所属すると、時間割が決められ、それに沿って勉強していくことになります。
とはいっても、
各個人によって、得意教科、不得意教科の差があるので、全ての人が全ての科目を同じ時間だけ勉強すればいいということはありえないと思います。
やはり、不得意教科は時間をかける必要があるし、得意科目は人より少ない時間で消化できると思います。
このような状況で、決められた時間割で授業に出て、予習・復習をしていると、やりたい、やらなければいけない科目に時間をあてる事が難しくなるかもしれません。
このような時にも、自分で、優先的に受けなければいけない授業をきめてうけ、場合によっては、ある授業をうけるのをやめて、自分のやりたい科目の勉強にあてることも必要になってきます。
そして
3)については、未習部分があれば、その授業の前に、必ず、自分で授業についていけるだけの下地を作っておく必要があります。
でないと、授業はチンプンカンプンになってしまい、無駄になります。それができなければ、その部分の授業だけ受けないことも考える必要があります。
このようにして、受身的だった予備校での講義を
「積極的」に利用する心構えが大切です。
・予備校の授業の受け方
ここでは、効率的だと思われる授業の利用法について考えていきます。
まず、
予習です。
これは科目によって多少やり方が異なると思いますが、予習をする目的としては、
「疑問点をもって授業に臨む」ということです。
予習段階である程度疑問点があったら、それを頭に入れながら授業を受け、その部分を集中して聞きます。
そして、
授業でその疑問点が解決されることで、頭により強く残すことができます。
そのような観点からいうと、何も疑問点をもたなかったり、予習をせずに授業だけ聞くと、たとえ理解できたとしても、後の記憶に残りにくい可能性があるということです。
そして、できれば授業後すぐに、ノート等をみたりして、授業内容を思い出します。
ここで、思い出すことができれば、理解できていることになるし、よく思い出せないときは、分かったつもりになっていただけの可能性があるので、早めに聞くなりして解決します。
次回の
復習では、ノートを見て、授業を思い出しながらチェックしていきます。
このようなサイクルを繰り返すことで、効率よくレベルアップすることができると思います。
・受験情報が得られやすい
予備校内にいると、過去の出願状況、難易度などの受験情報のほか、大学・学部案内などの冊子・パンフレットも多数あり、自分が知りたい情報などを得やすい環境にあります。
また、自分が受けたセンター試験後の二次出願に関する受験生の動向など、生(なま)の迅速な情報収集の結果もわかったりするときがあります。
それから、進路指導担当のスタッフとの面談・相談によって、模試の結果や、勉強の進行状況に応じた独りよがりにならない客観的、現実的な議論ができ、また自分が抱えている悩みや相談もしやすい環境にあります。
しかし、かといって自宅学習を行っている人に情報がいかないというわけでもありません。
最近の情報社会の進展により、予備校内でしか手に入らなかったような情報も、予備校のホームページ等で比較的手に入りやすくなっており、それほどハンデを背負うこともないレベルであると思います。
しかし、細かな分析、行き届いた指導など、予備校生であることの利もやはり否めません。
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代々木ゼミナール
河合塾
駿台予備校
3.自宅浪人の利点
・金額的な面
まず自学勉強の最大の利点としては、金銭的な面があります。
1年間予備校生として過ごすとなると、数十万円の金額が授業料として必要となりますし、夏期講習、冬期講習など合わせると、自分で働いてすぐ払えるような額ではありません。
それに対して、自宅で学習する上で必要なものは参考書代ぐらいで、安くつくことは間違いないと思います。
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そういう面からみると、勉強環境の質としてはあまり差がなくなってきているのかもしれません。
・主体的勉強ができる
予備校の短所として、受動的になる点を挙げました。
どうしても学校のクセが付いてしまっているために、復習などを疎かにし、授業を受けるだけで満足する、勉強した気になっている人が多いようです。
予備校では決められた時間割に従って毎日朝から夕方まで授業をこなしているだけで、相当勉強した気になるのです。
確かに、なにも勉強しないよりは実力も上がっていることでしょう。
しかし、このようなやり方ではキツイ言い方ですが、他の受験生に逆に置いていかれます。
つまり、本人は予備校に行って勉強しているつもりなのに成績が下がっていく状態にもなりかねません。
それに対して、自宅で勉強している人は、やりたい分野、やらなければいけない部分についての勉強計画を自分でたて、自分の描くように勉強を行っていくため、より主体的になり、吸収できやすくなる面もあると思います。
しかし、これは人によって様々です。
もちろん、予備校に通っても
やり方次第で主体的に勉強することも十分可能です。
それは先ほど書いたとおりです。
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